くだらない酒?





「マス酒は、樽酒のコモかぶりがおいしい。中でも下った酒は絶品。」
通が口にしそうなセリフですね。

下った酒と下らない酒の違いは”香り”。
下った酒は杉の樽の香りがちょうどいい具合に酒の中に混じり、なんとも言えない風味を醸し出しています。

この”下る”という言葉の謂れは、酒どころ灘から江戸まで船で下ることをさすもので、この間、杉の香りが酒に移るので、江戸に着くころはちょうどよい香りになっているというわけです。

船で下ってきた酒と、江戸近辺で造られた下らない酒は雲泥の違いであったとか。
「くだらない奴」という言葉はむしろこの樽酒からきているようです。