酒は腹の虫を殺す?






フランスのことわざで、お酒を飲む事を「腹の虫を殺す」というのがあります。
職人たちが朝仕事の出掛けに一杯ひっかけていく事をそういうのだそうですが、いわゆる景気付けのお酒のことです。
これにはゾッとするような、いかにも中世ヨーロッパらしい逸話がついています。


ラ・ヴェルナード卿の奥方が急死し、解剖して見ると心臓に生きた虫がついていて、心臓に穴をあけていたのです。
驚いて、ぶどう酒をしみこませたパンをおくと、虫は死んだ・・・というものです。
医療の発達していない時代にお酒が薬としても重宝がられていた事を示す話ですが、ちょっと気味が悪い話ですね。


日本でも腹の虫、すなわち、怒り、腹立ちの虫をおさえる最上のクスリはお酒だという事で、心のうさの捨て所などといいますが、ちょっと一杯のお酒は、気分を変えてくれるものです。